【国暦と農暦】台湾の公用暦「国暦」と伝統行事の際に使われる「農暦」
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台湾人に「正月、台湾に行くから会おう」なんて言うと、農暦、つまり旧暦の正月(旧正月)に来るんだと思われてしまいます。ここでは台湾の暦について見て行きましょう。
国暦と農暦
現在の台湾は公用暦として日常的に国暦が使われていますが、正月(春節)や端午節などの伝統行事などにおいては農暦が使われています。
この「国暦」は日本の新暦、「農暦」は日本の旧暦に相当します。
- 国暦(國曆)=新暦、陽暦、太陽暦、グレゴリオ暦
- 農暦(農曆)=旧暦、陰暦、太陰太陽暦
さて、冒頭の正月の話に戻しましょう。
例えば2019年の場合、旧暦の1月1日(旧正月)を新暦に換算すると2019年2月5日になります。つまり、「旧暦2019年1月1日」と「新暦2019年2月5日」が同じ日なので、2019年の旧正月は新暦の2月5日に該当するということです。
では、2020年の旧正月も新暦の2月5日になるのかというと違うんですね。2020年の旧正月は新暦で1月25日になります。
よって日本人基準の「正月(1月1日)行くよ」が、台湾人基準である年は「旧正月(2月5日)行くよ」またある年は「旧正月(1月25日)行くよ」になってしまうわけですね。
次の画像をご覧下さい。「結婚披露宴の招待状」に記載された披露宴の日にちです。
国暦と農暦が併記されているのを見ると、台湾では農暦が今も国民の生活に大きく根付いていることが分かります。
民国107年は西暦2018年なので、新暦2018年11月18日(旧暦2018年10月11日)に結婚披露宴が行われるということですね。
農暦は農業に適した暦なのか?
日本は明治6年に公用暦を「太陰太陽暦」から「太陽暦」へと切り替えました。このとき新しく採用となった太陽暦を「新暦」、それ以前の旧い暦である太陰太陽暦を「旧暦」と呼んで分かりやすく区別しています。
中国や台湾では1912年(日本の明治45年)から公用暦を「太陽暦」に切り替え、新しい暦を「国暦」と呼ぶようになりました。そして、それ以後公的には使わなくなった以前の暦を新しい暦「国暦」と区別するために「農暦」と呼ぶようになったのです。
ところで、この
農暦という言葉から「中国の農業サイクルに適した暦」と誤解されることがあります。でもこれは間違っています。
田舎の農村部で主に使われたことから農暦と呼ばれるようになったのであり、
むしろ中国の農業サイクルに合っているのは太陽暦(国暦)になります。
昔から長く使われ続けてきた旧い暦は、地域の伝統行事などとの結びつきが強く、そうした伝統行事がより多く残る傾向の強いのは田舎でした。そういうことから伝統行事の際に使われる暦が農暦と呼ばれるようになりました。農業の農ではなく農村の農だと解釈するとより分かりやすいと思います。
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