【台湾の路線バスのしくみ1】路線タイプと運賃体系を知る
掲載 : 2018.12.23
更新 : 2019.9.26
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まず最初に、台湾の路線バスには「どんな路線タイプがあるのか」、「どんな運賃体系なのか」について見て行きましょう。
台北市内のバスの多くは折り返し運転
次の路線図をご覧下さい。一般的なバスの路線図です。
- 起点A→B→C→D→終点E→F(復路のみ)→D→C→B→起点A
A点(起点)を出発してE点(終点)で周回し、再び起点であるA点へ戻ります。つまり、A→Eは往路、E→Aは復路となるわけです。
このように、台北市内の路線バスは、終点まで行っても一旦運転打ち切りとならずそのまま周回して折り返すパターンが多いのが特徴です。周回エリアにある停留所(F点)は復路のみ経由します。また、周回エリアは一方通行なので逆方向に乗ることはできません。
路線バスの運賃計算は「段票数」で決まる(段次収費)
段とは?票とは?
台湾の路線バスの運賃体系を知る上で重要なのが「段」と「票」の概念です。
「段」とは区間のことで、一段なら1区間、二段なら2区間を意味します。
そして、「票」とは切符や券のことなんですが、ここでは本来の意味より
運賃と解釈する方が日本人の皆さんには理解しやすいと思います。
では「一段票」が何を意味するか?
- 一段票とは1区間の運賃のことで、これが運賃計算の基準となる
段次計費
- 票(運賃)が段数(区間の数)に応じて2倍、3陪…と上がっていく方式
つまり、二段票、三段票…と段票数が増えれば運賃も2倍(30元)、3陪(45元)となるわけですね。
また、路線図には「一段票收票(一段票収費)」や「二段票收票(二段票収費)」といった表示があります。
収票/収費は「領収」という意味です。台湾ではバス会社視点で「〇〇領収」と表現しますが、日本人の皆さんは乗客視点で「〇〇払い」と解釈する方が分かりやすいと思います。
例えば、「二段票收票」の路線の場合は、起点から終点までが2区間の路線なので運賃は
最大で二段票(30元)ということです。(詳細は
後述します)
なお、
長距離バスや高速バスは運賃体系が異なり、区間制ではなく距離制となります。(長距離バス・高速バスは路線番号が4桁)
それでは、路線バスの運賃についてもう少し具体的に見て行きましょう。
台北市内の路線バスの運賃
繰り返しますが、一段票の運賃は15元でこれは運賃計算の際に基準となる金額です。
一段あたりの運賃(基本運賃)
- 大人(全票):15元
- 小人(半票):8元
※6~12才の児童、高齢者、障害者(介助に必要な同伴者1人含む)
(2019.9.25現在)
同一の段(同一区間内)で乗り降りしたときは、どこで乗ってどこで降りても一段票(15元)の一律料金となります。
もし、二段(2区間)にまたがって乗車すれば二段票(30元)、三段にまたがって乗車すれば三段票(45元)となります。
外国人は半額運賃か?
外国人旅行者の児童、高齢者、障害者の運賃の半額適用はケースバイケースのようです。これについては
別の記事にまとめています。
路線タイプ(一段票~三段票)
「一段票收票」路線
一段票收票の路線です。
一段票收票の路線は1区間しかないのでどこで乗車しどこで下車しても一段票收票(15元)となります。例えば、Bで乗車し次のCですぐに下車しても、起点から終点まで乗車しても同じ15元ですね。
「二段票收票」路線
二段票收票の路線は、2区間で構成されています。
「A~G区間」と「E~J区間」ですね、この2区間の継ぎ目の重複区間(E~G)を
分段緩衝區(分段緩衝区)と言います。
分段緩衝区は乗客が損をしないように設けられた特別な区間で乗客の都合に合わせ前後どちらの段に含めても構いません。
そして、緩衝区の両端の停留所(E、G)を
分段點(分段点)と言います。
同一区間内での乗降車、具体的には、「A~G区」内での乗降車(例:A→G、F→G、G→E、E→A)や「E~J区」内での乗降車(例:E→H、F→J、I→E)はいずれも一段票收票が適用され15元の運賃となります。
分段緩衝区をまたいで2区間乗車した場合(例:D→H、B→J、I→C)は二段票收票が適用され2倍の30元となります。ちなみに、分段緩衝区内の乗降車(例:E→G、G→F)は同一区間扱いで一段票收票が適用され15元となります。
「三段票收票」路線
三段票收票の路線も考え方は二段票收票の路線と同じです。
1区間内の乗降車なら
一段票收票(15元)、2区間にまたがった乗降車なら
二段票收票(30元)、3区間にまたがった乗降車なら
三段票收票(45元)になります。
分段緩衝區(分段緩衝区)内での乗降車につていは
二段票收票説明をご覧下さい。
分段緩衝区を設ける意味とは?
ところで、「分段緩衝区」は何のためにあるのでしょうか?「分段緩衝区」は、
隣接する段の境界付近で乗降車するような状況で有用となります。
では、緩衝区を設けた路線と設けていない路線とを比べてみましょう。
緩衝区がない場合
Eで乗車して
Gですぐに下車する場合、緩衝区がないと「二段票收票」となり、短距離乗車にもかかわらず30元も支払うことになってしまいます。
緩衝区がある場合
緩衝区があると、
Eで乗車して
Gで下車しても「A~G」または「E~J」区間に属するため「一段票收票」が適用され、運賃は15元だけですみます。
つまり、
緩衝区を設けると区間の境界付近で乗り降りする人の損失を軽減することができるのです。
長距離バスの運賃体系は距離方式(里程收費)
台北市内またはその周辺を走る路線バスは路線番号が1~3桁ですが、長距離バスや高速バスは通常
路線番号が4桁になります。上でも触れましたが、
4桁番号のバスの運賃は段ではなく距離に応じて上がり、このような運賃体系を「里程收費」と言います。
1062番バスの運賃表を例に挙げます。(クリックで拡大可能)
民国107年3月1日實施
(2018年3月1日施行)
例えば、「MRT忠孝復興駅」から「九份老街」までは大人101元(子供、高齢者は50元)です。料金を推測することはできないので運賃表で確認するしかありません。
(※全票は一般運賃、半票は半額運賃のこと) まとめ
ここでは一段票收票、二段票收票、三段票收票…といった路線のタイプを見ていきました。次回は「路線図から運賃と支払うタイミングを知る方法」についてです。
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